古代ギリシアの裁判制度が面白い〜公法と私法に区別〜

古代ギリシアの裁判制度が面白い〜公法と私法に区別〜

古代ギリシアの裁判制度が面白い
〜公法と私法に区別〜

古代ギリシアのアテナイには「ヘーリアイア(民衆裁判所)」と呼ばれる裁判制度が存在していました。希望する民衆(30歳以上の男子であることが条件)の中から抽選で6000人の陪審員が選ばれ、裁判の審議を行ないます。

 

職業裁判官ではなく市民が裁判を取り仕切り、段階ごとの決定も市民による投票で行なわれる、民衆のための民衆による裁判といえます。ソロンにより導入され、アテナイの民主政を支える重要な国家機関となりました。

 

 

裁判の形式

アテナイの市民権を持つ者ならば、貧富の差に関係なく訴訟を起こす権利はありますが、訴訟は当事者のみ行なうことができます。原告も被告も基本素人なので弁論の作成はプロの弁論作者であるロゴグラフォスに依頼しました。裁判の基本的な流れは以下の通りです。

 

民衆裁判の流れ

  1. 原告・被告が同じ時間を与えられる
  2. 各々が自分の言い分を弁論の形で主張する。
  3. 陪審員が言い分を聴き有罪か無罪か判断し投票する。
  4. 多数票をとったほうが勝訴

 

公法と私法

訴訟には公法私法の区別があり、公共の利害に関わることは公法、個人間の私的な事件は私法で裁かれました。公法の法廷は500名、1000名、1500名、2000名の裁判員からなり、私法の法廷は200名、400名の裁判員からなりました。

 

政争にも利用された制度

この民衆裁判所の制度は、政敵を抹殺する為に都合のいい制度として利用されることも多く、そんな例として有名なのがソクラテスへの死刑宣告です。ソクラテスは伝統的な神々を否定するような概念を提唱したので、「若者を堕落させた異端者」という罪で訴追され、死刑に処されたのです。この時にソクラテスで法廷で行なったソクラテスの弁明はあまりにも有名です。

 

現代の裁判制度のように、陪審員になるのに専門知識は必要ありませんから、感情が法廷を支配する衆愚裁判化してしまうことも多かったようです。ソクラテスの裁判はまさに、感情により理不尽な判決が下されてしまったケースといえます。

 

トップへ戻る