古代ギリシアのボクシングの特徴〜歴史/ルール/グローブ素材など〜

古代ギリシアのボクシングの特徴〜歴史/ルール/グローブ素材など〜

古代ギリシアのボクシングの特徴
〜歴史/ルール/グローブ素材など〜

人気の格闘スポーツの1種ボクシングは、拳にグローブを着けた2人の競技者が、上半身全面と側面のみを攻撃対象としてリング上で打ち合い、勝敗を決めるスポーツです。このルールに限りなく近い競技が、古代ギリシアでも行なわれていました。今回は古代ギリシアのボクシングのルールや道具などについて紹介したいと思います。

 

この記事の内容

 

 

古代ボクシングの歴史

ボクシング(boxing)のboxには「平手、拳で殴り合う」という意味があり、このboxは「握りしめた拳」という意味の古代ギリシア語「puxos(箱)」から派生したものと考えられています。

 

そしてギリシア最古のボクシングの記録は、ミノア文明(前30世紀〜前15世紀)が栄えたクレタ島の遺跡から出土した、ボクシングをしている様子が書かれた壺で確認されています。
またエーゲ最古の文明キクラデス文明が栄えたキクラデス諸島サントリーニ島からは、同様の絵が描かれたフレスコ画が出土しています。
クレタやキクラデスからギリシア本土に伝わり、広がりを見せたと考えられています。第23回古代オリンピックから正式種目となり、後に誕生するパンクラチオンの原型にもなりました。

 

 

古代ボクシングのルール

  • オリーブオイルを全身に塗り、グローブを着用し殴り合う。
  • 体重別の階級はない。
  • 対戦相手はくじ引き出決まる。
  • 試合の制限時間はなく、相手がギブアップするか戦闘不能になるまで続く。
  • 右手の人差し指を上に突き上げたらギブアップの合図。
  • 試合が長引き過ぎた場合、どちらかが倒れるまで交互に殴り合う。(避けてはいけない)
  • 相手を掴んだり組み合ったりしてはいけない。

怪我の危険が多いスポーツに見えますが、一応最低限の身の安全を保護するルールが設けられているので、この競技で命を落とすことは希でした。万が一絶命してしまった場合は、死んだ選手が勝者となり、死なせた選手は追放されたそうです。

 

古代のボクシンググローブの素材

古代ボクシングでは、ボクシンググローブに雄牛の皮から作った革紐を使っていました。これはヒマンテスと呼ばれ、紀元前500年頃まで手や関節の保護に使われていました。肌の保護として、革にオリーブオイルや獣脂をヒマンテスにすり込んでいたようです。
ローマの時代になると、このヒマンテスに金属を仕込んだカエストスと呼ばれる攻撃力が高いグローブが使われるようになりました。

 

古代のトレーニング

古代ボクシングのトレーニングは、パライストラと呼ばれる練習場が使われました。
パライストラにはいくつかの部屋があり、風呂や更衣室、トレーニング器具や座談室まであったりと、かなり充実していたようです。サンドバッグも存在し、中身には小麦や雑穀、砂などが詰められていたようです。

 

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