ポリス(都市国家)の特徴を簡単に〜古代ギリシア世界の主役〜

ポリス(都市国家)の特徴を簡単に〜古代ギリシア世界の主役〜

ポリス(都市国家)の特徴を簡単に
〜古代ギリシア世界の主役〜

ギリシア最古の文明エーゲ文明は、地中海世界を突如として襲った大規模な社会変動(前1200年のカタストロフ)に飲み込まれ消滅してしまいます。
以降ギリシア世界の文明レベルは著しく衰退。エーゲ文明下で発展した文字も彩色技術も失われ、その後約400年間は記録がほとんどない暗黒時代が続きました。

 

この記事の内容

 

 

ポリスとは何か?特徴と発展の理由

ただ今の視点からみれば、暗黒時代は次なる繁栄のための黎明期ともいえました。エーゲ文明下ではみられなかった様々な革新が起こり、その結果再びギリシアは栄えたからです。今私たちが「古代ギリシア」と聞いて想像する文化はほぼ全て、この革新の結果生まれたといえます。

 

その革新の中の1つがポリス(都市国家)の出現です。交易活動を生活の基軸とした、有力者(貴族)中心の小規模な政治的共同体が各地に形成去れ始めたのです。ポリスは以下のような特徴を持っていました。

 

ポリスの特徴
  • 中心市と郊外の農村から構成。
  • 大半のポリスは城壁に囲まれている。
  • 市内には城塞 (アクロ・ポリス) 、市場 (アゴラ) が存在する。
  • 市民の数は数百から数千。
  • 市民全体の政治参加 (エクレシア ) が誕生し、民主主義の源流となった。
  • 市民は市民権と引き替えに軍務や政務に携わった。

 

ギリシア文化とポリスの成立

ギリシアは決して豊かな土地とはいえませんでしたが、有力者が知恵を出し合い、肥沃な土地(マグナ・グラエキア)への植民や海上交易を拡大させることで、文化的・経済的に大いに発展することができました。ギリシア文字の発明、通貨制度の確立、重装歩兵、新たな美術様式の成立など様々な革新も発展を後押ししました。

 

このようにポリス形成と発展を始めとした、ギリシア史における様々な重要な変化が起こった時代をアルカイック期と呼びます。今我々が「ギリシア文化」と聞いて思い浮かべるもの(神殿、神話、民主政、哲学、オリンピックetc...)は大体、このアルカイック期に端緒を発し創成されたものです。

 

 

ギリシアに存在したポリスの数

ギリシアには1000以上のポリスが並存していました。他のポリスと統合を進めたり、過剰に干渉することもなく、民族構成や宗教的要因によって分立し、自治独立をたもっていたのです。(ローマのように周囲の民族やポリスを吸収して1つの大国を樹立するということもありませんでした。)
ただ十分な史料が残っているポリスは多くありません。そのため実はアテナイやスパルタといった有力ポリス以外の実態がどうであったのか不明瞭な部分が多いのです。

 

ポリスの政治形態

政治のあり方はポリスの数だけ存在しましたが、典型的なのはやはりアテナイの民主政でしょう。前5世紀に一部の有力者が全ての実権を握る貴族政を打倒し、家系や貧富に関わらず全ての市民が政治に参加できる直接民主政治を実現させました。他のポリスも大体同じ歩みを辿ったと考えられています。

 

アテナイで成立した民主政は現代民主主義の源流になりましたが、当時の民主政は今といささか実態が異なると思ってください。選挙権を持つのは18歳以上の男性のみで、女性や奴隷、外国人は政治に参加できなかったのです。

 

ポリスの時代の終焉

ポリスは前5世紀に政治的にも文化的にも全盛期を迎えましたが、前4世紀になるとポリス間の戦争で疲弊していきます。(ペロポネソス戦争)そんな中、周辺ではローマやマケドニアといった単一国が着実に力を伸ばしていて、ポリスはその圧力にさらされていくことになるのです。

 

ついに前338年、カイロネイアの戦いでアテナイ・テーバイ連合軍がマケドニア王国に破れたことで、ギリシアポリスの大半がマケドニアの支配下に屈することになりました。
さらにそのマケドニアが、共和政ローマとの覇権争い(マケドニア戦争)に破れ、ローマ属州となったことで、ギリシア世界はローマの完全支配下に置かれます。ローマ支配下の中でポリスの伝統的な自治独立を保つのは難しく、通常この時点でポリスの時代の終焉と判断します。

 

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