古代ギリシアで民主政が成立するまで〜現代民主主義の起源〜

古代ギリシアで民主政が成立するまで〜現代民主主義の起源〜

古代ギリシアで民主政が成立するまで
〜現代民主主義の起源〜

古代ギリシア(とりわけアテナイ)は民主主義の始まりの場所です。古代ギリシアにおける民主政誕生の背景や現代民主主義との違いを紹介します。

 

この記事の内容

 

 

民主政が成立するまでの経緯

最初期のアテナイでは王政が敷かれていましたが、王家が衰退すると少数の富裕層(貴族)が社会を牛耳るようになりました。しかし重装歩兵などで力を持った平民が貴族に対し不満を吐き出すようになり、貴族と平民の対立が激化。

 

そして貴族に対する平民の不満を利用した僭主政(貴族による独裁)が成立します。この政治形態は、最初は貧民を潤す救済措置として支持されましたが、僭主の世襲が続くと悪政のほうが目立つようになり、再び平民の不満が過熱します。

 

そしてついに僭主政も打倒され、前6世紀末に市民が法律や法案に直接投票できる直接民主制が始まりまったのです。アテナイの民主政は、ペルシア戦争(前499年-前449年)後のペリクレスの時代に最盛期を迎えました。

 

 

なぜ古代ギリシアで民主主義が始まったのか

なぜギリシア・アテナイは、世界のどこよりも早く民主主義を実現できたのか?という疑問があると思います。端的に要因を述べれば、戦争、地理的要因、経済発展などが背景にあります。

 

参政権=戦争に参加できる者

他民族や他国からの侵略が当たり前だった時代なので、「政治に参加する権利=戦争に参加する権利」だったことがポイントです。自前の武器で戦争に参加し、自国の防衛に貢献できる者だけが、政治に口出しする権利を持っていました。

 

平民が富を持ち武器を自前で購入可能に

アテナイは地元の銀山をもとに銀貨を製造し、いち早く通貨制度を確立。さらに海沿いの立地を活かした海上交易により商工業が活発になり、富を持つ平民が増加しました。すると武具を自前で購入し、戦争に参加できる、つまり参政権を持つ平民が増えたわけです。

 

 

貧民も漕ぎ手として戦争に参加

そしてアテナイは痩せた土地ですが、銀貨を元手に木材を大量輸入し、艦船の量産が可能でした。すると武器を購入できない貧民でも、漕ぎ手として戦闘に参加することができるようになります。つまり最終的には貧富の差に関係なく政治参加ができる権利を得られるようになったのです。

 

民主政全盛の古典期

前5世紀から4世紀にかけての古典期、ペルシア戦争ペロポネソス戦争などギリシア全土を巻き込んだ戦争が起こり、ギリシア人としてのアイデンティティが明確になると共に、兵士として活躍した平民がかつてないほど発言力を持ち、ギリシアの民主政はピークに達しました。

 

現代の民主主義との違い

民主政とはいっても、現代のように一定年齢以上なら性別・身分関係なく誰でも参加できるようなものではなく、投票できる者は成人の男性市民に限られていました。奴隷、外国人、女性などに投票権はありませんでした。

 

デモクラシーの語源?

民主主義は英語で「democracy(デモクラシー)」と言いますが、これはギリシア語で国家・国民・住人を意味する「デーモス」と権力を意味する「クラトス」の合成語に由来しており、「人々の力」を意味しています。

 

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