幾何学文様期の特徴〜ギリシア工芸に多大な影響〜

幾何学文様期の特徴〜ギリシア工芸に多大な影響〜

幾何学文様期の特徴
〜ギリシア工芸に多大な影響〜

前1200年になり、ギリシアでは経済システム・社会秩序の崩壊、人口激減、文化の衰退など、大規模な社会変動が起きました。(前1200年のカタストロフ)。俗に暗黒時代と呼ばれる、大変動の煽りを受けた衰退期は400年間も続きます。

 

 

暗黒時代の革新

“暗黒”時代と聞くと、ひたすら暗い閉塞したイメージがあるかと思いますが、今の視点からポジティブにとらえれば、様々な新しい文化が芽生える革新期でもあったのです。鉄器の普及、ポリスの成立、民主政の成立、ギリシア文字の発明などなど挙げれば様々ですが、今回紹介するのは幾何学様式(きかがくようしき)の出現という工芸分野の革新です。

 

幾何学様式とは何か

幾何学様式とは、陶器類に見られる曲線と直線を複雑に組み合わせた複雑な模様のことです。陶器は重要な交易品であるオリーブやワインを保管するのに用いられました。アテナイ発祥であり、アテナイ得意の海上交易によりエーゲ地域全体に広まっていきました。

 

幾何学文様期の時代区分

幾何学様式が普及した暗黒時代後期の、紀元前900年から紀元前700年にかけての時代区分を幾何学文様期と呼びます。幾何学文様期は以下の4期に分けられます。

 

原幾何学様式時代 (紀元前1050年 - 紀元前900年) 円、半円、同心円、波状文など曲線を多用した幾何学模様が多用された時期。
幾何学様式時代前期 (紀元前900年 - 紀元前850年) 陶器の背が高くなり、陶器の首から胴の中央あたりまでの範囲に装飾が施されるようになる。「ギリシア雷文」と呼ばれる装飾が登場する。
幾何学様式時代中期 (紀元前850年 - 紀元前760年) ギリシア雷文が模様として最も多用されている。(ギリシア雷文はローマの建築・工芸でも多用)
幾何学様式後期 (紀元前760年 - 紀元前700年) 模様に人間や動物が頻繁に描かれるようになる。葬儀の光景が描かれることも多い。この時期墓の記念碑として陶器を置く風習が生まれた。

 

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