ソクラテスが反対したソフィストの問題点

ソクラテスが反対したソフィストの問題点〜知者か詭弁家か〜

ソクラテスが反対したソフィストの問題点
〜知者か詭弁家か〜

ソフィストとは、紀元前5世紀から紀元前4世紀初期に、アテナイを中心としたギリシア諸ポリスで弁論術を教えていた知識人のことです。現代の家庭教師のような存在であり、報酬と引き替えに生徒に演説や論争技術のイロハを教えるのが仕事でした。

 

 

ソフィストが生まれた背景

前5世紀にアテナイ民主政は最盛期に達し、貧富や生まれに関係なく政治参加できるようになりました。そんな社会で自分の意見を政治に反映させるのに重要なのは財産でも家柄でもありません。弁論術です。議会や法廷、広場の演説で自分の主張を説得力をもって伝え、幅広い市民の支持を得ることが求められました。

 

しかしどんなお金持ちでも良家の生まれでも「お喋り」が上手いとは限りません。こういうのはテクニックがいります。なのでその筋のプロであるソフィストに多額の報酬を払い、弁論に必要な知識や技能を教えていたのです。

 

有名なソフィスト

ソフィストとして大成することは社会的成功を意味していました。プロタゴラス(前490年-前420年)は最初期のソフィストで、「ソフィストの祖」として有名です。彼は売れっ子のソフィストとして、ギリシア各地を巡り歩き、富裕層相手に高い授業料をとって大もうけしていました。

 

有名なソフィスト一覧
  • プロタゴラス(前490年-前420年)
  • ゴルギアス(前487年-前376年)
  • ヒッピアス(前460年頃-前399年頃)
  • プロディコス(前465年頃-前415年)

 

 

ソフィストの問題点とは

ソフィストの仕事は自身の弁論術により相手を「説得」すること。言い方を変えれば「論破」することを第一の優先事項として、真理や正義が軽視されるという問題点がありました。プロタゴラスの「人間は万物の尺度である」という言葉は有名ですが、ようは絶対主義の反対の立場をとる相対主義の表明です。

 

「真理は人によって異なる」というのは必要な視点でもありますが、正義や真理を追究することを諦める怠惰な態度ともとれるわけです。なのでソクラテスやプラトンはソフィストを「詭弁家」と評し、その悪評は後世にも伝わり、現代でもその意味で人を皮肉ったりするのに使われる傾向があるのです。

 

もともと「ソフィスト」の本来の意味は「知者」「達人」であり、むしろ尊敬の念が込められた言葉だったのですが、「相手を論破出来れば、真理なぞどうでもいい」という黒でも白にしてしまうような不誠実な態度が、その名を貶めてしまったのです。

 

★ソフィストの再評価
一方で知識の普及者としての意義は大きく評価され、2世紀にギリシア文芸の見直しが起こった時、ギリシア語の弁論や散文に秀でた人々がソフィストと呼ばれていました。

 

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